ここは推理小説家・二階堂黎人氏の創造した希代の女名探偵・二階堂蘭子嬢について研究する部屋である。



二階堂蘭子プロフィール
画・伊伏悠摩さま thanks!

1949年7月19日生 貴族院の政治家・二階堂松院を祖父として、名門二階堂家に生まれる。幼い頃に両親を失い、 松院の養子である二階堂陵介に引き取られる。義兄の黎人とは同い年。養父の陵介は正警視、 後に副総監。叔父の桐生は画家。黎人と同じく、一橋大学に入学、理工学部数学科に籍を置く。 大学では《推理小説クラブ》と《美術クラブ》に在籍。入学直後から論文を発表し、内外から 高く評価される。数々の難事件を解決したのはもとより、かの三億円事件を秘密裏に解決した ともいわれる。 容姿は至極淡麗。整った眉にすっきりとした鼻と引き締まった唇、猫の目のような黒い瞳、な めらかな輪郭をもつ顔立ちなどと称される。特に顔全体を縁取る、背中まで伸びた細かく渦を 巻く漆黒のハリウッド女優のような巻き毛が彼女のシンボルである。身長は165センチ。 『聖アウスラ修道院の惨劇』では髪を茶色に染め、ミニスカートをはくなどヒッピー系の格好 を披露。衣装に対する彼女の考えは「そうした自分に対する他者の感情や行動を観察すること」 である。 「女性版ファイロ・ヴァンス」といわれるように、性格は冷静沈着。明晰な頭脳によって男性 達をやりこめることもしばしば。しばしば「クスリ」と冷笑的に笑う。人を近づけない威厳を 持つこともあるが、自分から積極的に男性との交際を求めることもあり、彼女曰く「人間を観 察するため」だという。とはいえ、彼女はユーモアと茶目っ気の持ち主であり(と、伺える)、 マジックを愉しみ、黎人をからかうこともある。  趣味は読書(特に推理小説の知識は豊富)、音楽鑑賞(ドヴォルザークの『新世界』が好み らしい)嗜好はどちらかというと甘い物好き。列車の旅には駅弁は欠かせず、犬の名前はどう してもラッシーでなければいけないというこだわりを持つ。(以上二つ『聖アウスラ修道院の 惨劇』から) 考える際には襟元の髪を手に巻き付けたり、金田一耕助さながらかき回し、自分の考えを披露 するときには耳元や襟元、また肩口の巻き毛を後ろへ払う癖がある。また、彼女は極度の寒が りであり、そのせいで学校を休むこともしばしばである(ゆえに成績はあまり良くない)。 彼女はあまりにも合理的に生きているため、「人間味がない」「とっつきづらい」などといわ れるが(なぜなら、合理的でないのが人間だから)、彼女は一方では理想の人間像であり、そ の点では魅力ある女性として映るかもしれない。 愛称・蘭子嬢、二階堂の嬢ちゃん等々。しかし私は敬愛を込めて「お嬢」と呼ぶ。





序・《女性版ファイロ・ヴァンス、女性版シャーロック・ホームズ》


お嬢の活躍を振り返る

事件発生順年表(事件関与の時点から。語られざる事件はのぞく)

《》・長編 『』・短編 「」・連作中の一編

  《地獄の奇術師》 昭和四十二年十二月十六日〜
  《悪霊の館》 昭和四十三年八月二十六日〜
  《吸血の家》 昭和四十四年一月十日〜
  『サーカスの怪人』 昭和四十四年二月(バラ迷宮所収)
  『劇薬』 昭和四十四年四月(ユリ迷宮所収)
  《聖アウスラ修道院の惨劇》 昭和四十四年六月初め〜
  『ロシア館の謎』 昭和四十四年十月五日(ユリ迷宮所収)
  『喰顔鬼』 昭和四十四年十月十九日(バラ迷宮所収)
  『変装の家』 昭和四十四年十一月七日(バラ迷宮所収)
  「悪魔のラビリンス」昭和四十四年十一月十四日〜
  『泥具根博士の悪夢―魔を呼ぶ密室』 昭和四十四年十二月三十三日以降
  「双面獣事件」(執筆中)
  「魔術王事件」 昭和四十五年一月二十二日〜三月十五日
  『ある蒐集家の死』 昭和四十五年五月十八日(バラ迷宮所収)
  『薔薇の家の殺人』 昭和四十五年五月末頃〜(バラ迷宮所収)
  『密室のユリ』 昭和四十五年六月(ユリ迷宮所収)
  『火炎の魔』 昭和四十五年十一月四日(バラ迷宮所収)
  《人狼城の恐怖》 昭和四十五年八月二十四日〜昭和四十六年五月





2005年1月現在